人・モノ・カネのすべてが東京に集まる一極集中の風潮に逆行するように、自動車業界で東京に置いていた本社機能を地方へ移す動きが相次いでいる。全世界に拠点展開する自動車各社には東京偏重の必要性は乏しく、研究所や工場の近くに事務部門も置くことで、開発、生産、営業など各部門にまたがる意見の集約や意思決定を早め、賃料コストを圧縮する狙いもある。 トヨタ自動車は今年9月末、JR名古屋駅前の「豊田・毎日ビルディング」(地上47階)の完成を機に、東京の海外営業部門など約200人を移す。愛知県豊田市の本社や海外拠点との連携が多い同部門は、成田空港より中部国際空港を使った方が効率的と判断したようだ。9月以降、東京勤務(複数拠点)は累計で700人余となり、渉外、広報、PR部門が中心になる。 日産自動車も、神奈川密着の姿勢を鮮明にする。10年までに本社を東京・銀座から横浜市のみなとみらい21地区に移す予定で、新本社ビルは07年に着工する。銀座勤務の約3000人は原則的に全員、新本社などに移る。横浜は日産発祥の地。横浜工場(横浜市)、追浜工場(横須賀市)といった主要生産拠点との意思疎通を強化する。 三菱自動車から分社化した三菱ふそうトラック・バスは今年12月、現在の「品川三菱ビル」(東京都港区)から、生産、研究開発機能を持つ川崎工場に近いビル(川崎市幸区)に本社を移す。約500人が移ることで賃料を年間3億円節約できるという。 三菱自動車は「本社機能の京都移転」を再建計画の柱に掲げる。生産拠点が愛知県以西にあることを踏まえたものだ。賃借契約が切れる今年12月、現在の「品川三菱ビル」から03年4月まで本社としていた東京・田町のビルに一度戻し、再生に取り組みながら京都への移転時期を検討する。 マツダは既に東京本社(千代田区)を縮小している。90年代には約600人がいたが、米フォード傘下で再建に取り組んだことを機に、徐々に生産拠点のある広島県内に移し、現在は広報部門など百数十人体制としている。 (2006.6.25/毎日新聞) |
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