売り言葉を買って積む
川村龍俊の読書日記。3週間に1冊は読まないとこの日記は消えてしまう……。
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ブラウン『おやすみなさいおつきさま』

おやすみなさいおつきさま 評論社の児童図書館・絵本の部屋
マーガレット・ワイズ・ブラウン (著), クレメント・ハード (イラスト), せた ていじ (翻訳)
価格: ¥1,000
単行本 (1979/01/01)
評論社 ; ISBN: 4566002330 ; サイズ(cm): 18 x 22
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 雅子様の愛読書として一躍有名になった絵本だそうだが、寡聞にして幸子が買ってくるまで私はその話を知らなかった。我が家のきゅい君にとってはおやすみのための絵本はこれまで幾冊もあったけれど、この絵本はとどめをさすものとして長く読まれ続けていくだろう。色調を限定した時代背景を思わせるレトロな落ち着きの絵柄もさることながら(原書は1947年刊)、へたな詩も真っ青なみごとな短文がむちゃくちゃ想像力をかきたてる。山岸健教授なら、さしずめ社会学の授業で一番先に取り上げそうだ。
 このうさぎのぼうやの部屋には絵が3枚かかっている。我が家にはいきなりアンディ・ウォーホールのLove#3がかかっているところがなんともであるが、部屋にあるもの、部屋にいるものに対して一つ一つ声をかけていくくだりは自分の位置を確かめながら存在を実感する最適の方法だろう。そして、最後の一文の衝撃に、あとは本当の意味での沈黙が訪れる。すでにこれはケージである。この年、ケージが作った曲といえば、Music for Marcel Duchamp (1947)、Nocturne for Violin and Piano (1947)というあまりにも美しい小品と、The Seasons, a Ballet in One Act (1947)というバレエのための曲である。まだ4'33" (1952)までは5年あるが、すでにこの本にはそれがある。

2002/01/03 PM 09:11:19 | [本]

池田香代子(再話)『世界がもし100人の村だったら』

世界がもし100人の村だったら
池田 香代子 (再話), C.ダグラス・ラミス (対訳)
価格: ¥838
単行本 (2001/12/01)
マガジンハウス ; ISBN: 4838713614 ; サイズ(cm): 20
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 今更言うまでもない、もし自分宛にこの内容のメールがまだ来ていなかったら、自分は実は相当友達に恵まれてないということになるのではないかという恐れを抱きそうな、そんなメールが本になったのだった。誰もがこの内容のメールをもらうかあるいは話をきいて検索してそれっぽいホームページを見て、そして考えるだろう謎……最初にこれを書いたのは誰だろう? この本は見事にその謎を解いてみせる。それだけでとてもなんかこう、ありがたい本である。
 そういう意味では池田香代子氏は一種の探偵をしてみたことになるのだが、本の後ろの紹介文を読んでさもありなんと納得がいった。1948年東京生まれ。ドイツ文学翻訳家・口承文芸研究家。(中略)翻訳に『完訳クラシック グリム童話』(全5巻、講談社)、ゴルデル『ソフィーの世界』(NHK出版)、(後略)。なるほど、そりゃあ名探偵であろう。でも、謎解きがなんかあっさりしすぎているな。
 A4の紙1頁に印刷できそうな長さしかないものを、どうやって1冊の本にしたのか。それは、もちろん字を大きくするだけじゃなくて、どうでもいい「絵」をたくさん入れることによってなんとかしている、と言うわけだ。このあたりがさすがマガジンハウスである。絵は本当に「どうでもいい」ものであり、やはりこの短さの内容なのに本にしてしまったというのは、かのサムエル・ウルマンの「青春という名の詩」に匹敵するのではないかと思う。
 少なくとも、雑誌に載ってそれで十分な長さの内容を本にして出すというのは、商魂のたくましさ以上の何物でもあるまい。それは別に池田氏のことではなく、マガジンハウスのことである。というのも、池田氏のホームページでは、このバカ売れしている本について何一つ語っていないので、どのくらいこの仕事に精魂込めたかまったくわからないのである。
 ところで、私には、この内容のメールは、幸子から来たのであった。そのことからもう察しの良い方はお分かりであろう、私はこの本の内容にはいたく心酔しているのである。要するに、つまらん絵本に仕立てるんじゃない! と言いたいだけなのである。
 まだ100人の村についてのメールを受け取ってない方は、「世界を100人の村に縮小すると」←この「」の中をカット&ペーストして、YahooでもGoogleでもいいから検索して御覧なさい。山のようにヒットしますから、本を買う必要はさらさらありませんよ。

2002/01/02 AM 12:01:29 | [本]

殊能将之『鏡の中は日曜日』

鏡の中は日曜日(講談社ノベルス)
殊能 将之 (著)
価格: ¥820
新書 - 289 p (2001/12/01)
講談社 ; ISBN: 4061822225 ; サイズ(cm): 18
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 いつのことだったか、「ジョン・ケージ」で検索していたら、突然迷い込んでしまったのが殊能将之氏のホームページのどこかだった。最初は作家の、それもミステリ作家のホームページだとはまったくわからずに、膨大な氏の興味とリンク先を見ていたのだが、ついに氏が作家だとわかったとき、迷わず著書を買うことにしていたのであった。最初が「ハサミ男」、これはなかなか本屋で見つからず、何軒も探してやっと見つけて、もちろん一晩で読了、「してやられた」というのが読後感。次いで「美濃牛」、これも読み止まらず一晩で読了、これにはしてやられなかったが、まあ、おもしろかったかな、という感じ? で、しばらくして、3冊目の「黒い仏」が出たので、それっとばかりに買ったのはいいが、ちょっと待て、こんなのありか? ……ううむ、どうしよう。私と一日遅れで3冊とも読んできた幸子も同意見で、もうやめよっかな、と思って、実際仕事が忙しいから忘れかけていたのだが、そしたら、出たのだ、4冊目が。
 実は昨年の10月頃から、室井光広氏の著書に縛られてしまった関係から、すごく久しぶりにキルケゴール、ブランショ、初めてカフカ、そしてマラルメを集めまくっていただけに、個人的にはものすごくはまってしまった。もちろん例によって「やられた」感もたっぷり味わえたけれど、それよりなにより、こういう世界に著者も私も入っていけることそのものがうれしくてしょうがない。また舞台となる鎌倉は、実はよく知っている場所でもあるわけだから、なおさらうれしいのだった。
 殊能将之氏の本はこれで4冊になったけれど、最初の1冊目は特別に2冊目以降との関係はない。2〜4冊目は関係あると言えば言えるが、京極夏彦のような関係ではないので、いきなりこの4冊目「鏡の中は日曜日」を読んでも一向に差し支えがない。
 それにしても、ここまでトリックのためのトリックを書いてくると、いったい著者はこの後、どうする気というか何を書くのであろう? 他人事ながら、すごく心配になる。

2002/01/01 PM 10:52:57 | [本]

というわけで明日から始めるのである
読書日記を始めようと思った。
このレンタル日記サーバーのルールは、なんと3週間書きこみをしないと消されてしまう、というものであるからして、うそをつかない限りは、3週間以内に1冊は読まねばならない。
うむ。
勝手なルールとして、本を読了したら書くことにする。

2001/12/31 PM 09:27:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | [未設定]



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